【ユース/トップ】ガンバ大阪、新たな船出 −ユースの熾烈なポジション争いと、トップチームへの"予感"−【ユース】アンブロユースチャレンジで見えた"挑戦"

February 19, 2013

【ユース】高円宮杯U-18サッカーリーグ2013 OSAKA 3部リーグ第2節 vs箕面学園高校

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 あらゆるカテゴリーでオフとなるこの季節。何かと禁断症状が現れる時期である。ガンバアカデミーを追う者とて同じ事で、一日でも早く試合が見たくてしょうがない衝動を抑えながら日々を過ごしているのである。そんな中、2月になれば公式戦が早くも始まると言うことで心待ちにしていたのが、このユースBチームの出場する大会だ。正式名称は相変わらず長いので割愛しておくとして、この3部リーグがガンバ大阪のあらゆるカテゴリーにおいて一番最初の公式戦となる。Aチームの公式戦はプレミアリーグになるので、新学期となる4月までお預け。となれば、Aチームへのアピールと、昨年達成できなかった2部リーグ昇格を目指すBチームが俄然気になってしまうのだった。

 昨年のこの大会はガンバの練習場で行われることがほとんどだったわけだが、今年は様々な学校のグラウンドで行われることとなった。この日は金蘭千里高校。初戦もそうだったようだが、土のグラウンドでの試合はユースっ子にとってはかなりのアウェイ。けれど、困難な環境こそ成長の場。こういった環境で揉まれることは重要だ。そんなBチームの公式戦。この試合は開幕2戦目となったが、気になる出場選手も含めて見届けてきた。



ガンバ大阪ユースB7−0箕面学園高校(※35分ハーフ)
@金蘭千里高校グラウンド
得点者:(ガンバ)小田垣旋3、川井翔太1、有馬幸祐1、初瀬亮1 ※得点時間不明のため割愛


 開幕戦となった追手門高校戦も土のグラウンドだったと聞いてはいたが、第2戦もやはり土のグラウンドで行われた。追手門高校には3−1で勝利したものの、昨年のこのリーグでは大勝続きだったことを思えば苦戦した部類と言える。もちろん2月の段階ということも考慮する必要があるし、土のグラウンドも久しぶりに感じた選手も多かったはず。昨年までとは異なる戦いを強いられることが予想された、この第2戦。対戦相手の情報も何も持ち合わせていないため、まずは試合結果よりも選手たちの様子や状態をチェックすることに重点を置いて観戦することにした。

 会場にはAチームの選手も帯同してきており、ユース選手全員で試合を見守るような形だった。そんな中で登場した11人の顔触れをチェック。追手門高校戦のメンバーも把握はしていたけれど、この試合では選手を入れ替えて臨んでいた。スタメンは、以下の構成。

ガンバ大阪【ユース】 3部vs箕面学園
17 小田垣旋(JrY) 9 有馬幸祐(2)
7 岸本青空(2)8 森山雄平(2)
10 川井翔太(2)5 吉岡裕貴(JrY)
2 安田涼馬(2)6 瀬川尚輝(1)
4 茶木創(1)3 鵜木直道(2)
 1 西本圭斗(JrY) 
(学年は、2012年度で表記)

 GKから順に見ていくと、西本圭斗がゴールマウスに入った。聞けば急な召集だったようで、突然のメンバー入りだったとのこと。今春中学3年生になるので、スタメン11人の中でも最も下級生となる。バックラインは、右サイドに瀬川尚輝が入った。実は瀬川のことは初見。ケガが多く、昨年は練習場でもあまり見ることが出来なかったのだが、今年ようやくお目にかかることが出来た。CBの選手と聞いていたが、第1戦に引き続き2試合続けて右サイドでの起用となった模様。左には安田涼馬。CBは茶木創と鵜木直道がコンビを組む。中盤は右に森山雄平、左に岸本青空を配置。川井翔太が攻撃的なボランチに入った。またJrYではCBや右サイドに入ることが多かった吉岡裕貴が、ユースではここまでボランチで起用されている。その出来も楽しみだった。またアタッカーは、JrYで技巧派だった小田垣旋が少し引き気味のFWに入り、有馬幸祐と2TOPを組んだ。

この日のゲームキャプテンは、安田涼馬

 まずは前半。試合が始まると、すぐにグラウンドに慣れていない様子が見て取れた。ボールコントロール、パスの威力、バウンド…芝生とは異なる条件にやはり苦戦を強いられた。バックラインからのビルドアップも雑になっていたし、いい形でボール奪取をしても、その後が繋がらない。ゴール前にもなかなか近づけないかもしれない、そんな事が頭によぎったのも確か。それでも、厳しい環境を上回るテクニックがあれば、打開できる。それをまざまざと見せ付けたのが、先制点の場面。右サイドの森山からのクロスはブロックされるが、狭い局面で拾った小田垣がゴールを背にしながらエリア内でうまく持ち出す。最後は振り向きざまに左足でループシュートのようなふわりとしたシュート。これがネットに吸い込まれ、先制することに成功した。 
 うまく先制はしたものの、つなぎの部分でのミスパスは多く、相手どうこうというよりピッチと戦ってしまっている状況はしばらく続いていた。そんな中、追加点が生まれる。エリア内で岸本が仕掛けたことで混戦となり、相手守備陣が体を張って止めようとするのだが、転倒した際にボールが手に当たり、これがハンドの判定となってしまう。ラッキーと言うか、同情したくなるような判定だったが、このPKは川井がしっかり決めて点差を広げることに成功した。さらに追加点がガンバに生まれる。岸本が放ったシュートはポストに弾かれるも、こぼれ玉に素早く反応した小田垣がきっちり詰めて、3点目を奪う。決してゴールまでの流れが、思い描くような流れではなかったかもしれないが、チャンスでキッチリ加点をした結果、リードを3つに広げることが出来た。グラウンドへの適応は相手のほうがスムーズだったようにも見えたが、やはり個々の差がこの試合に関しては大きいものと感じさせられた。
前半は3点リードを奪って折り返すことになったガンバ。小田垣の奮闘も光るが、岸本もドリブルでの仕掛けで積極性を披露。Aチームへの殴りこみも期待したい選手でもあるし、今年は一皮向ける1年にしてもらいたい。
 結局前半は、3−0で折り返す。後半は更なるゴールラッシュとなるのだろうか。

シュートへ持ち込もうとする、小田垣旋

 後半は、2人のベンチメンバーを早々に投入。岸本を初瀬と、茶木を大西にスイッチ。それぞれポジションを替えることなく同じポジションへ入った。気になるのは初瀬亮。左サイドバックが本職だが、ここでは2列目で起用。攻撃的なサイドバックだが、その攻撃性を如何なく発揮できるかに注目した。

ガンバ大阪【ユース】 3部vs箕面学園(後半)
17 小田垣旋(JrY) 9 有馬幸祐(2)
14 初瀬亮(JrY)8 森山雄平(2)
10 川井翔太(2)5 吉岡裕貴(JrY)
2 安田涼馬(2)6 瀬川尚輝(1)
13 大西高弘(1)3 鵜木直道(2)
 1 西本圭斗(JrY) 

 グラウンドコンディションに加え、新チームになってまだ日が浅いこともあり連携面もまだまだ。そんな状況下でも積極性を見せるガンバ。森山は右サイドからクロスを入れる場面が多かったが、自分自身が中へ入っていくことで相手にとって危険なエリアで分厚い攻撃となるようなサポートを見せていたのが印象的。また前半から目立っていたのが、吉岡のボール奪取。厳しくも確かなボール奪取は、チームに攻撃のリズムを生み出していく。すると、左サイドからの低めのクロスに対して、有馬がワンタッチで合わせてゴール。リードを4点に広げることに成功した。ここまでの有馬は、絶好のチャンスでGK正面へシュートを放ったり、枠に嫌われたりと良いところが見られなかった。それだけに、点差が開いている試合とはいえ流れから得点できたことは良かったはず。さらに有馬に続き、今度は途中から登場した初瀬が得点を奪って見せる。混戦からのゴールだったが、同じ左サイドとはいえ不慣れな攻撃的なポジションでしっかりと結果を出せたことを評価したいところだ。前めで起用された時であっても、ゴールで結果を出せたことは自信にしてもらいたい。
 さらに、ガンバのゴールラッシュは続く。川井から小田垣へと渡ると、これが小田垣のハットトリックとなる得点となった。さらに、今度はその小田垣によるパスに抜け出した有馬がそのまま持ち込んでシュート。しっかりゴールに吸い込まれて、7点目。ゴールショーが一通り済んだところで、タイムアップの笛を迎えた。

 難しいコンディションでの試合に対し、きっちりと結果を出して見せたユースB。力の差が激しい大会ではあるが、2部昇格やAチームメンバー入りなど、選手各々が懸けているものはなかなか小さくはないはず。公式戦で結果を出し続けることが、次なるステップアップへの第1歩となるわけだし、きっちり大勝で終われた事は評価したいところ。確かな自信を身につけて、上を目指せる選手へと育っていってくれればと願っている。

 さて、3部リーグはまだ始まったばかり。2試合終わって3位につけるユースB(豊能・三島ブロックAグループを参照)だが、今後もグラウンドコンディションに苦労しつつも勝ち進んでいってくれるはずだろう。なかなか会場へ足を運ぶには難しい(この試合もK.Oは9:30だった…)場合もあるけれど、今年のユースメンバーをいち早くチェックしたいと考えるガンバサポの方は、ぜひ試合会場へ足を運んでみることをお勧めしたい。もしかすると、ダイヤの原石が見つかるかも…?





lifegoeson7 at 23:59│Comments(3)TrackBack(0) '13ユース 

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この記事へのコメント

1. Posted by かる   February 27, 2013 18:43
5 ユースでもトップチームでないと土グランドでやる事あるんですね

ゼロックスの前座に小川と内田が出てたので活躍を期待しましたがスコアレスだったようで

今季は岡崎建哉推しで行きます
が、鳥取とのTMで捻挫したみたいで気になります

大学時代は別格だった阿部でもトップで苦労しましたから簡単では無いでしょうが建哉はやれると思います

ガンバっ子ですから
2. Posted by anziyasu   March 01, 2013 09:47
かるさん>今年の三部リーグに関しては、高校のグラウンドで開催しているようで、その学校の環境次第のようです。おそらく芝のグラウンドを持ってる学校が三部にはいないかな、とは思われますが…ちょっとわかりませんw

建哉はほんと楽しみですねー。阿部も、1年目であまり若い選手が起用されないガンバにおいてはよくやったと思います。でも、建哉は高校時代からのガンバDNAが備わっているはずですから、昨年の阿部以上の出来を期待したくなりますね!
3. Posted by かる   March 04, 2013 20:02
5 J2開幕戦、京都に内容で圧倒されるとは…ショックです

ボールボーイがユースっ子でしたよね?

帰りに、すき屋寄ったら、多分、井手口がいました

大阪学院大学との練習試合にも出てたとか

中村はゴールまで?

長崎戦は、建哉を出して欲しいです

2種登録してユースっ子も使った方が良かったりして…

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