October 06, 2012
【Jrユース】JFAサンライズリーグ(U-15)関西2012 vs京都J-マルカ
久しぶりの観戦となったJrユース。サンライズリーグの優勝を9月16日に果たし、いわば消化試合になる戦いだが、それもいよいよ終盤。先週は台風通過に伴い延期(代替開催日未定)となったが、残す試合はこの試合を含めて2試合だけ。ガンバアカデミー史上にも名が残る今年のチームを見られる機会も限られてきたし、しっかりこのチームを見ておきたいという気持ちを持って、堺へ向かった。
およそ1ヶ月ぶりのJrユース観戦となったのだが、わずか1ヶ月とはいえ選手の雰囲気が少し変わったように見受けられた。この年代の成長は見た目だけでもはっきりしているし、それだけ成長真っ只中にいるんだと感じさせられる。肉体面でも精神面でも成熟する途中の彼らだし、フットボーラーとしてもどんどん成長していってもらいたいもの。と同時に、"成長に目を細めたくなる"という親目線の気持ちもよくわかる。この年代ならではの楽しみ方なのだろう。
京都J-マルカ１−５ガンバ大阪Jrユース
@J-Green堺S9グラウンド
曇り空が広がる堺。今日からの3連休はJrユース・ユース・Jrユースと、見事にアカデミーずくし。その先陣を切るのが、久々の観戦となるJrユース。関西も制して、これで冬の高円宮杯への挑戦権を得ることができた。タイトル総なめを目指して、ますますチームの底上げを図りたいガンバJrユースだが、この日は布陣を含めて少しフレッシュな部分も見ることができた。まずは、そのフレッシュな布陣について。レフトバックの初瀬がサスペンションとなり、誰が彼の代わりを務めるのかが注目点だったわけだが、答えは意外なものだった。
まず3バックで開始したガンバ。谷田と松岡がCBのようでサイドバックのような、前へ前へ仕掛けていくストッパーとして登場。かろうじて安田のみが最終ラインで相手の攻撃を跳ね返すと言う、まさに攻撃的なバックラインを形成。中盤では市丸と岩本が君臨。田中が本来の守備的な位置より前めに位置取り、逆に岩本が中盤の底からの配球役を担っていた。また守屋を左サイドハーフへ置いたことで、どんどん縦に仕掛ける彼の良さを引き出す起用となった。トップ下には川畑、�睫擇半�田垣は最前線でアタッカーとして登場。
試合は予想外なカタチでガンバが先制するところから始まる。なんでもない中盤での攻防。ガンバが攻め込もうと相手エリア内に入っていこうかとするところで、笛が鳴り相手のFPがボールを手でキャッチ。ところが、ここで鳴らされた笛は隣接する隣のグラウンドからの笛であり、この試合で笛が吹かれたわけではなかった。そのため、自陣エリア内でボールをキャッチした選手はPKを取られてしまうという、珍しい形でガンバがPKを得ることとなった。このPKを岩本が難なく決めて、あっという間にガンバが先制する。
先制したこともあり、ガンバは落ち着いて試合を掌握。布陣こそ変われど、ガンバJrユースの試合制圧力が揺らぐことは無かった。まさに圧倒的なポゼッション力と正確なパス回しで、どんどん相手選手を自陣へ張り付かせていく。すると今度は、守屋が左サイドをドリブルで突破。上々のスピードで出されたクロスは、エリア内真ん中でフリーになって待ち構えていた川畑の元へ。これをきっちりゴールへ沈め、試合開始早々に2点のリードを奪うことに成功した。
次代ガンバのファンタジスタになるか？PKで得点も決めた岩本和希。
ところで、上記布陣を見ると岩本と市丸は並列になっているのだが、実際には市丸がアンカーのような、フォアリベロのようなポジションでプレーしていたのが興味深かった。これまでであれば田中がそういったセカンドボールを拾っては確実にはたいてマイボールにしていく仕事をしていたが、この日はその仕事を市丸が担っていた。谷田と松岡がサイドへ流れる分、中央はどうしても枚数が少なくなるし、リスキーな戦いにならざるを得なかった。しかし、市丸をアンカーに配置したことが有効だった。セカンドボールへの嗅覚もさることながら、相手に囲まれても確実に繋げるキープ力も光っていた。さらに、攻め上がるタイミングもしっかり心得ている。市丸がゴール前へ顔を出すということは、得点を奪うために相手陣内でより圧力をかけられることになる。攻撃により絡めるというよりは、守備から攻撃へのスイッチを入れる役割と言ったところか。市丸ならではのアンカー配置だったと言える。
試合のほうへ話を戻すと、ガンバはさらに追加点を奪うことに成功し、いよいよ相手との差を露骨に突くようになる。左サイド、守屋がドリブルで仕掛けて混戦となっているエリア内へクロスを送ると、ボールは逆サイドにいた小田垣の下へ。小田垣はエリア内の角度の無い場所から、相手CBと相手GKが詰め寄る中、右サイドのゴールライン際から左足でフワリと浮かせてゴール。点差からの余裕もあったことは確かだが、小田垣の冷静なシュートでリードを広げることが出来た。
点差も開く一方だが、試合の内容も一方的なもの。J-マルカには、一切攻撃をさせることすら許さない"圧殺"っぷり。ガンバの3バックの裏に向けて、縦に速い攻撃を仕掛けるぐらいしか手段が無かったし、その攻撃に対しても安田と市丸がきっちり封じる。1vs1を仕掛けられても、ドリブルスピードが遅く見えるのか、あっさりとカットしてしまう。得点力以上に、局面局面での守備での強さが際立っていた。結局、前半終了間際に唯一決定的なシュートを打たれたが、渡辺のビッグセーブにより失点を喫することなく前半を終えることが出来た。
実質1バックのような布陣でも最終ラインに君臨した主将・安田拡斗。
後半、GKを交代させることにしたガンバ。渡辺と同じく2年生の田原を起用した。まだ上背もあまり無いGKだが、飛び出しが売りのGKということだった。また大きな変化といえば、2トップから3トップへと変更し、3-4-3をテスト。バックラインは変わらないものの、中盤以降は大きく並びも変わっていた。とはいえ、なかなかこのシステムへ変更後はピリッとしない。ここまで圧殺していた相手の攻撃も、少しずつガンバ陣内での攻撃を許してしまう。そして失点。左サイドを崩されてのものだった。失点を喫し、少し目覚めたのか、直後に得点。�睫擇�ゴール前での混戦を制し、押し込んだ。ここまで強烈なインパクトを残せなかった�睫擇世�、いざというところでの決定力は健在。3トップの真ん中と言う慣れないポジションでも結果を出した。
さらに畳み掛けるガンバは、今度は右サイドから小田垣が切れ込むと、角度の無いところから�睫擇慷遒箸后Ｈ瑤喀个靴討�た�睫擇�DFが捕まえることは出来ず、フリーとなってGKの股を冷静に抜くシュートでゴール。後半早々に失点したかと思えば、あっという間に2得点を奪い5-1。さらに点差を広げることに成功した。
点差は大きく開いたのだが、試合内容は徐々に緩み始める。ガンバのGKに上背が無いというところを狙い、ハイボールを繰り出してきた京都J-マルカに対し、反撃も許した。どうもピリッとしない緩い展開は、結果的に最後まで続いた。ただ圧巻だったのは、市丸が魅せた2連続マルセイユルーレット。ガンバベンチも、ギャラリーもどよめく華麗さだった。市丸瑞希推しの私としては、うっとりさせられるプレーであった。しかしながら、このプレーが最も印象的に残るぐらい、これと言って見せ場も無く時間が進んでいく。
守備に徹した布陣でも、随所に華麗な才能を感じさせた市丸瑞希。
選手交代も頻繁に行い、終了時はこのような形に。3-4-3があまり効果を発揮しないまま、最終的には4-4-2に戻して試合を終えることになった。点差が開き、また慣れない布陣を敷いたこともあってか、後半の途中からはあまり見所が無いまま試合を終えたガンバ。とはいえ圧勝には変わりなく、ガンバどうこうと言うよりは、相手との差があまりにも大きすぎたと言う一言に尽きるだろう。消化試合でもあったし、モチベーションも低い位置付けなのは確実。それでも大勝して終われるところに、今年のガンバJrユースの強さが垣間見られる。
2ゴールを奪い、エースストライカーの存在感を見せ付けた�睫攵歓諭�
次戦は万博でサンライズリーグ最終戦。ヴィッセルU-15との試合だ。この日の同時刻、隣のグラウンドで行われたヴィッセルU-15とセレッソ西U-15の2位の座を賭けた試合は白熱の展開だった模様で、その熱気はガンバ側のグラウンドにまで伝わる凄まじいものだった。前半0-3でリードを許したヴィッセルが、4得点を挙げ大逆転勝利。底力を感じさせる結果が我々にも伝わってきた。リーグ優勝はガンバが飾ったが、最終戦は万博で行われるし、ヴィッセルに負けるわけにはいかない。ハイレベルな戦いが見られることを期待したいところである。
@J-Green堺S9グラウンド
曇り空が広がる堺。今日からの3連休はJrユース・ユース・Jrユースと、見事にアカデミーずくし。その先陣を切るのが、久々の観戦となるJrユース。関西も制して、これで冬の高円宮杯への挑戦権を得ることができた。タイトル総なめを目指して、ますますチームの底上げを図りたいガンバJrユースだが、この日は布陣を含めて少しフレッシュな部分も見ることができた。まずは、そのフレッシュな布陣について。レフトバックの初瀬がサスペンションとなり、誰が彼の代わりを務めるのかが注目点だったわけだが、答えは意外なものだった。
ガンバ大阪【Jrユース】 サンライズリーグvs京都J-マルカ
| 9 �睫攵歓�(3) | 14 小田垣旋(3) | ||
| 7 川畑隼人(3) | |||
| 17 守屋諒(3) | 6 田中駿汰(3) | ||
| 8 市丸瑞希(3) | 10 岩本和希(3) | ||
| 4 松岡秀平(3) | 2 谷田想太朗(3) | ||
| 3 安田拡斗(3) | |||
| 21 渡辺健太(2) | |||
まず3バックで開始したガンバ。谷田と松岡がCBのようでサイドバックのような、前へ前へ仕掛けていくストッパーとして登場。かろうじて安田のみが最終ラインで相手の攻撃を跳ね返すと言う、まさに攻撃的なバックラインを形成。中盤では市丸と岩本が君臨。田中が本来の守備的な位置より前めに位置取り、逆に岩本が中盤の底からの配球役を担っていた。また守屋を左サイドハーフへ置いたことで、どんどん縦に仕掛ける彼の良さを引き出す起用となった。トップ下には川畑、�睫擇半�田垣は最前線でアタッカーとして登場。
試合は予想外なカタチでガンバが先制するところから始まる。なんでもない中盤での攻防。ガンバが攻め込もうと相手エリア内に入っていこうかとするところで、笛が鳴り相手のFPがボールを手でキャッチ。ところが、ここで鳴らされた笛は隣接する隣のグラウンドからの笛であり、この試合で笛が吹かれたわけではなかった。そのため、自陣エリア内でボールをキャッチした選手はPKを取られてしまうという、珍しい形でガンバがPKを得ることとなった。このPKを岩本が難なく決めて、あっという間にガンバが先制する。
先制したこともあり、ガンバは落ち着いて試合を掌握。布陣こそ変われど、ガンバJrユースの試合制圧力が揺らぐことは無かった。まさに圧倒的なポゼッション力と正確なパス回しで、どんどん相手選手を自陣へ張り付かせていく。すると今度は、守屋が左サイドをドリブルで突破。上々のスピードで出されたクロスは、エリア内真ん中でフリーになって待ち構えていた川畑の元へ。これをきっちりゴールへ沈め、試合開始早々に2点のリードを奪うことに成功した。
次代ガンバのファンタジスタになるか？PKで得点も決めた岩本和希。
ところで、上記布陣を見ると岩本と市丸は並列になっているのだが、実際には市丸がアンカーのような、フォアリベロのようなポジションでプレーしていたのが興味深かった。これまでであれば田中がそういったセカンドボールを拾っては確実にはたいてマイボールにしていく仕事をしていたが、この日はその仕事を市丸が担っていた。谷田と松岡がサイドへ流れる分、中央はどうしても枚数が少なくなるし、リスキーな戦いにならざるを得なかった。しかし、市丸をアンカーに配置したことが有効だった。セカンドボールへの嗅覚もさることながら、相手に囲まれても確実に繋げるキープ力も光っていた。さらに、攻め上がるタイミングもしっかり心得ている。市丸がゴール前へ顔を出すということは、得点を奪うために相手陣内でより圧力をかけられることになる。攻撃により絡めるというよりは、守備から攻撃へのスイッチを入れる役割と言ったところか。市丸ならではのアンカー配置だったと言える。
試合のほうへ話を戻すと、ガンバはさらに追加点を奪うことに成功し、いよいよ相手との差を露骨に突くようになる。左サイド、守屋がドリブルで仕掛けて混戦となっているエリア内へクロスを送ると、ボールは逆サイドにいた小田垣の下へ。小田垣はエリア内の角度の無い場所から、相手CBと相手GKが詰め寄る中、右サイドのゴールライン際から左足でフワリと浮かせてゴール。点差からの余裕もあったことは確かだが、小田垣の冷静なシュートでリードを広げることが出来た。
点差も開く一方だが、試合の内容も一方的なもの。J-マルカには、一切攻撃をさせることすら許さない"圧殺"っぷり。ガンバの3バックの裏に向けて、縦に速い攻撃を仕掛けるぐらいしか手段が無かったし、その攻撃に対しても安田と市丸がきっちり封じる。1vs1を仕掛けられても、ドリブルスピードが遅く見えるのか、あっさりとカットしてしまう。得点力以上に、局面局面での守備での強さが際立っていた。結局、前半終了間際に唯一決定的なシュートを打たれたが、渡辺のビッグセーブにより失点を喫することなく前半を終えることが出来た。
実質1バックのような布陣でも最終ラインに君臨した主将・安田拡斗。
ガンバ大阪【Jrユース】 サンライズリーグvs京都J-マルカ(後半)
| 9 �睫攵歓�(3) | |||
| 17 守屋諒(3) | 14 小田垣旋(3) | ||
| 7 川畑隼人(3) | |||
| 10 岩本和希(3) | 6 田中駿汰(3) | ||
| 8 市丸瑞希(3) | |||
| 4 松岡秀平(3) | 2 谷田想太朗(3) | ||
| 3 安田拡斗(3) | |||
| 16 田原智司(2) | |||
後半、GKを交代させることにしたガンバ。渡辺と同じく2年生の田原を起用した。まだ上背もあまり無いGKだが、飛び出しが売りのGKということだった。また大きな変化といえば、2トップから3トップへと変更し、3-4-3をテスト。バックラインは変わらないものの、中盤以降は大きく並びも変わっていた。とはいえ、なかなかこのシステムへ変更後はピリッとしない。ここまで圧殺していた相手の攻撃も、少しずつガンバ陣内での攻撃を許してしまう。そして失点。左サイドを崩されてのものだった。失点を喫し、少し目覚めたのか、直後に得点。�睫擇�ゴール前での混戦を制し、押し込んだ。ここまで強烈なインパクトを残せなかった�睫擇世�、いざというところでの決定力は健在。3トップの真ん中と言う慣れないポジションでも結果を出した。
さらに畳み掛けるガンバは、今度は右サイドから小田垣が切れ込むと、角度の無いところから�睫擇慷遒箸后Ｈ瑤喀个靴討�た�睫擇�DFが捕まえることは出来ず、フリーとなってGKの股を冷静に抜くシュートでゴール。後半早々に失点したかと思えば、あっという間に2得点を奪い5-1。さらに点差を広げることに成功した。
点差は大きく開いたのだが、試合内容は徐々に緩み始める。ガンバのGKに上背が無いというところを狙い、ハイボールを繰り出してきた京都J-マルカに対し、反撃も許した。どうもピリッとしない緩い展開は、結果的に最後まで続いた。ただ圧巻だったのは、市丸が魅せた2連続マルセイユルーレット。ガンバベンチも、ギャラリーもどよめく華麗さだった。市丸瑞希推しの私としては、うっとりさせられるプレーであった。しかしながら、このプレーが最も印象的に残るぐらい、これと言って見せ場も無く時間が進んでいく。
守備に徹した布陣でも、随所に華麗な才能を感じさせた市丸瑞希。
ガンバ大阪【Jrユース】 サンライズリーグvs京都J-マルカ(終了時)
| 9 �睫攵歓�(3) | 23 藤田典(3) | ||
| 25 牧野寛太(3) | 6 田中駿汰(3) | ||
| 10 岩本和希(3) | 8 市丸瑞希(3) | ||
| 19 柏井怜哉(3) | 12 足立哲司(3) | ||
| 4 松岡秀平(3) | 3 安田拡斗(3) | ||
| 16 田原智司(2) | |||
選手交代も頻繁に行い、終了時はこのような形に。3-4-3があまり効果を発揮しないまま、最終的には4-4-2に戻して試合を終えることになった。点差が開き、また慣れない布陣を敷いたこともあってか、後半の途中からはあまり見所が無いまま試合を終えたガンバ。とはいえ圧勝には変わりなく、ガンバどうこうと言うよりは、相手との差があまりにも大きすぎたと言う一言に尽きるだろう。消化試合でもあったし、モチベーションも低い位置付けなのは確実。それでも大勝して終われるところに、今年のガンバJrユースの強さが垣間見られる。
2ゴールを奪い、エースストライカーの存在感を見せ付けた�睫攵歓諭�
次戦は万博でサンライズリーグ最終戦。ヴィッセルU-15との試合だ。この日の同時刻、隣のグラウンドで行われたヴィッセルU-15とセレッソ西U-15の2位の座を賭けた試合は白熱の展開だった模様で、その熱気はガンバ側のグラウンドにまで伝わる凄まじいものだった。前半0-3でリードを許したヴィッセルが、4得点を挙げ大逆転勝利。底力を感じさせる結果が我々にも伝わってきた。リーグ優勝はガンバが飾ったが、最終戦は万博で行われるし、ヴィッセルに負けるわけにはいかない。ハイレベルな戦いが見られることを期待したいところである。
